ホーム > 不育症の方へ > 不育症診療に取り組むきっかけ

不育症に取り組むきっかけ

不育症に取り組むきっかけ

ふじたクリニック
私が不育症に取り組むきっかけは、まだ大阪府立母子保健総合医療センターが発足して1年足らずの時です。子宮内胎児死亡を3回繰り返し、そのうち2回は妊娠22週を越えてからの死産、という症例に出会ったことです。
母体や胎児を検査しても異常はなかったため、原因の手がかりを胎盤に求めました。すると胎盤は小さく、病理所見では顕著な血栓硬塞があり、強い虚血性変化を認めました。

そこで4回目の妊娠では、妊娠8週で胎児が確認されたときから、ヘパリンを用いた抗凝固療法を24時間連続で行いました。そして37週に反復帝王切開で2600gの赤ちゃんを分娩したのです。
この妊娠初期からのヘパリン持続注入療法は、繰り返し起こる原因不明の死産に対する治療法として、世界に先駆けたものです。

この患者さんは、3回死産しており、何もしなければ、必ず4回目も同じことを繰り返すと思い、私達はヘパリンを使ってみたのです。今ではこの治療法で通算約300人の赤ちゃんが生まれています。
中には12回流産を繰り返した人が、このヘパリン療法によって出産したという例もあります。

もちろんヘパリン療法は出血、骨粗鬆症、ヘパリン関連血小板減少症など、副作用を伴うものです。対象はきちんと決めなければなりません。